これは......

どうしたの？

V2ガンダム のお話自体が、実はこれの伏線だったんだね。

いや、V2ガンダムについて考えていたらエミリオのことを思い出した......って、ただそれだけなんだけどね。
それに、伏線にしたってあまりにストレート。

......む～。

何故に、そう伏線にこだわるの？

伏線は張れるだけ張っておけ......って言うでしょ。

......それって、TRPGのGMとかの話じゃない？

日常的に、伏線張って会話する人がいない......とも言い切れないよ。

......まぁ、確かに言い切れないけどね......ここでは、そういうのはあんまり関係ないよ。

そうか......それに、伏線張りまくっておきながら途中で打ち切りになったり、
収集つかなくなって全部消化し切れなかったら、悲しいことだものね。

......言いたい事はわからなくもないけど、そういう不吉な発言は......やめておいてくれないかな。

......わかったよ。私も、なにやら発信源不明の不穏な電波を感じたし......

ふぅ......

......男の子の登場は......初めてかな？ 初めてだね。

ここに登場する、最初で最後の男の子になるかもね。

『サイキックフォース』で最初に見た時、女の子と間違えなかった？

イラスト見た当初は迷ったけど、名前を見て男の子だとわかったよ。

......名前で？

だって、「エミリオ」って男性に付ける名前でしょ。
まぁ、日本語の語感を優先にして、外国語の男性名・女性名の区別は無関係という場合もあるけど。

......そう言えば......そうか。
でも、当時飛び交っていた電波のログによると、女の子だと思った人って......結構いたみたいだよ。

......まぁ、無理も無いだろうけどね。
開発スタッフの仕掛けた、限定対人指向性地雷......と言ったところか。

その継承者たる『GUILTY GEAR』のブリジット君は、どう？

......彼を勝手に継承者にしちゃって良いのかな？

私たちの知っている範囲では、あの子が一番だと思うよ。

その範囲なら......確かにね。
あの子に関しては、僕も詳しいストーリー読むまで男の子だとわからなかったよ。
「ブリジット」は女性の名前だしね。

仕掛ける方も巧妙だったってことだね。

......どのくらいの意図で仕掛けられたのか、わからないけどね。
更に限定対人指向性だから、トラップとして機能する人としない人がいるし。

君はどうなの？

ほんの少々驚いた程度。「ふぅん」って感じ。

......何だ。つまんないの。

......そこで、僕に何を期待しますか？

......まぁ、色々と......

色々ね......

......うん、色々と。

ただ、覚醒必殺技の「俺とキルマシーン」ってネーミングは激しく気に入ったけどね。
2・3日の間、俺とキルマシーンってフレーズが頭から離れなくてさ......
で、試しにブリジットを使ってみたら、ロジャーが超絶に渋い声で喋るし。

......

技の名前なら、「連ね三途渡し」とか「窓際desperate」・「限界フォルテッシモ」
なんかも好きなんだけど、やっぱり「俺とキルマシーン」には勝てないね。
何しろ俺とキルマシーンだからね。

......

......どうかした？

......期待以上......だったよ。

そっ、そう......

......エミリオの話に戻ろうか。

いっそ、このまま「俺とキルマシーン」の話で終わっておいても、
それはそれで良さそうな感じがするんだけどな。

......良くないって。
まぁ確かに、「俺とキルマシーン」について語れたのは有意義だったけどさ。

有意義って......ま、良いけど......

で、俺とキル......じゃなかった、
エミリオ君の羽って、何か公式な設定があるんだっけ？

......君も、俺とキルマシーンを引きずるね......

だって、聴覚神経系に残るんだもの......

仕方ないね。何しろ俺とキルマシーンだからね。

だから、そうやって言うの止めてよ......あうぅ。

......仰せのままに。
で、エミリオの羽について公式設定があったかどうかだけど......

......うん。

実は、良く憶えていないんだよね。
彼の持つ光を操る超能力の潜在能力があまりに高くて、それが発露している......
......っていうようなのが合った気がする......な。

能力を使っている時にだけ羽が現れるのだから、当たらずとも遠からず......ってとこかな。
でも、どうして「羽」の形になるか......だよね？

彼は超能力のせいで不幸な境遇にあったから、逃れたいという思い故か......
あるいは外に溢れ出ようとする力が、自然とああいう形を取っているのか......
......どうであるにしろ、エミリオの無意識部分が影響しているんだと思うよ。

不自由さを際だたせる自由の象徴か......何だか皮肉。

サイキッカー自体が運命に翻弄される象徴だしね。

『サイキックフォース2012』のラストで、エミリオ君は自分自身と対決するよね。

その鏡像の自分は、忌み嫌ってきた自分の力の象徴......
そして、その力を躊躇い無く用いようとする自分の中の暗い部分・認めたくない部分だね。
ゲーム的には勝たないと、エンディングには辿り着けないのだけど......
エンディングでは結果的にどちらのエミリオが勝ったのかは、曖昧に終わっている。

......その嫌いな力も、その嫌いな自分も......
打ち勝った上で、自ら受け入れなければいけないんだよね......ホントは。
......エミリオ君は、それができたのかな？

......僕は、できたのだと思いたい。......あのエンディングも、そう解釈したい。

私もそう。
だから......迷子になった地上の天使の心に......迷い続けるあの子の心に......
一時も早く平穏が訪れることを願ってやまない......ね。

......そうだね。

『サイキックフォース』	© TAITO CORP.
『サイキックフォース2012』	© TAITO CORP.
『GUILTY GEAR XX』	© Sammy ⁄ ARC SYSTEM WORKS Co., Ltd.