オリンピア
......
......
脳、無事?
......失敬だね。
今までオタク文化の産物ばっかりだったのに、いきなり文学小説に世界移動したから。
人形をキーワードに探っていると、『砂男』は確実にヒットするからね。
人形愛を読み解く時に必ず引き合いに出される作品......だっけ?
そういうこと。
自動人形というと、前に ティセちゃんのお話 があったけど......
ティセさんはアンドロイドに近いけど、オリンピアは単なる機械の人形。
つまり、違いは超電子かどうか......ってことだね。
......うなずいて良いものかどうか判断しかねる意見だね。
間違ってないと思うんだけどな。
それじゃ、これは? ティセちゃんは「ファンタジー」で、オリンピアちゃんは「幻想」なの。
あ、それは何となくわかる。言い得て妙だね。
わ~、褒められた、褒められた。
子どもですか......
少女だよ。
ま、それはそれとして......
はーい、進行どうも......って、止めたのも瑠璃子さんだったような気が......
それはそれとして。
ねぇ。
それはそれとして。
ちょっと。
それはそれとして。
......
それはそれとして。
......わかった。続ける。
はい、よくできました。
はぁ......
それはそれとして。
......わかったってば。
前述の通り、オリンピアは全くの機械。心は持っていない。
ピアノを弾いてアリアを歌うじゃない。
でも、その他の身のこなしはぎこちないし、
アリア以外には「アア、アア!」という溜息のような意味不明の声しか発せられない。
歌やピアノは動作が決まっているから再現しやすいんだろうね。
......っていうか、19世紀の作品としては、すごくオーパーツな代物だと思うんだけど。
錬金術と科学が融合した末の産物だよ。
眼がガラスの義眼だってことだけは描かれていたっけ。
オリンピアが機械人形だと明らかになるところでね。
主人公はオリンピアに夢中だから、それまで気付かないけど。
恋は盲目......ってね。
そうね。
他の人が違和感を感じるオリンピアの挙動も、主人公にはすべてが彼女の魅力に思える。
じゃ、月夜ちゃんはオリンピアちゃんがダンスを踊るシーンとか、どう?
んっとね......
ゾクゾクする。
......
脳、無事?
......失敬だね。
『砂男』 | —Ernst Theodor Amadeus Hoffmann |
『式神の城Ⅱ』 | © Alfa System co.,ltd |
『機動戦艦ナデシコ』 | © ジーベック ⁄ ナデシコ製作委員会・テレビ東京 |