灰羽
灰羽は、綿毛のような小さな種として
この世界に忽然と現れる。
種はやがて大きな繭となり、
繭を破って灰羽は生まれる。
灰羽は繭の中で夢を見る。
その夢が、この世界でのその灰羽の呼び名。
羽が生え、世界に馴染んだ灰羽は、
街で仕事を見つける。
天使でも人間でもない、ハイバネの生活。
やがて来る巣立ちの日のために。
羽はえてるん
生えてる......というか、灰羽として生まれた後に生えるんだよね。
それが痛そうなんだよね。
肩胛骨辺りに体内から皮膚を破って文字通り「生えてくる」から。
ラッカちゃん、叫んでたもんね。
そこの演技で、広橋涼さん に注目し出したんだよね。
......
......女の子の悲鳴が好きなんですか?
そういう意味ではないです。
感情表現の達者な演技って、魂に響くじゃない?
うん。
「叫ぶ」というのは、感情が振り切れた末の極致だから、それの表現が上手だとよけい心に残るじゃない?
そうだね。
そういうことだよ。
『PERFECT BLUE』の演技で、岩男潤子さん に惹かれたのと同じ。
あ~、潤子さんも叫んでたもんね。
......重ねて言うけど、悲鳴だけを目的にしてるわけじゃないからね。
......わかってるよ。
ちなみに、光輪も後から乗せるんだよね。
人工的に......というか、何というか。灰羽連盟からの支給(?)でね。
そうだね。あとのせサクサクだね。
......いや、サクサクかどうかは責任を持てないな。
で、『灰羽連盟』の良い所は、灰羽たちの日常がメインだということだよね。
羽はえてるん
な子が普段はどんな生活をしているか......
が描かれているのが良い......ってことかな?
人間と変わらない生活なんだけどね。灰羽特有の規則とか以外は。
人間と同じ生活をする時に羽はえてるん
だとどうなのか?......ってことね。
そう。羽を痛めている時は仰向けに寝られないとか。
人間の古着に羽の穴を開けて着るとか、冬には保温ために羽袋着けるとか。
ラッカの光輪のくっつきが悪かったので、針金で補助したこともあったね。
ん~、生活感......っていうのかな?
もっと広げて、灰羽たちがここに生きています という感覚かな。
そういえば ここで他に挙がっている方々 ってあんまり生活感無いよね。
生活感が無いと言うか、「生活」というものからかけ離れた場所に存在する方々が多いんだな。
ここに限らない ......と言えば、言えるけどね。
今更なので、それは置いておこう。
うん。
で、例えばエルフの耳なんかでも、日常生活の中で人間のものとは異なる部分があるのだろうな......
という感じのファンタジーRPG的思考があるわけだ。
それが、羽はえてるん
だとどうなのか? ......ってのが『灰羽連盟』なわけね。
そう。
そういう描写のある作品を僕が他に見た記憶が無いというだけのことなので、
僕の知識不足というまでの話でもあるんだけど......
まぁ、ここまで言い訳しておく必要も無いことかも知れない。
月夜ちゃんの、いつもの考え過ぎる癖だね。
そのうち フレーム問題 起こすんじゃない?
それはそれで、むしろ貴重な体験だね......
『灰羽連盟』 | © 安部吉俊・光輪密造工房 |
『PERFECT BLUE』 | © 1997 MADHOUSE |