ファル
......ネイちゃん......に似てる......ね。
ネイの話の時に最後で言っていた、ネイの遺伝子を受け継いだ子だよ。
未来のネイちゃん......か。
『ファンタシースターⅡ』から見て、未来ね。
シリーズ完結編『ファンタシースター ~千年紀の終わりに~』のメインキャラ。
でも、ネイちゃんって......言いたくないけど「突然変異」......だったわけだよね。
......そうだね。だから、彼女の悲劇はあったわけだね。
そのネイちゃんが未来へ受け継がれて行った......というのは、何か訳があるのかな?
うん。まずは、その辺の話から始めようか。
『Ⅱ』のラストでマザーブレインは失われるんだ。
どうして......なのかは、ゲームの核心なので一応伏せておこうか?
そうしよう。
で、『Ⅱ』と『千年紀の終わりに』の始まりの地となっている惑星モタビアは、
元々砂漠の星だったのをマザーブレインによる惑星管理システムで緑の星に変えていたので、
マザーブレインの消失によって、徐々に砂漠の星へと戻ってしまうのね。
『千年紀の終わりに』では「大崩壊」と呼ばれているね。
うん。
でも、システム全てが完全に崩壊したわけじゃなくて、生き残った施設や人工衛星なんかがあって、
それらの管理コンピュータだとかアンドロイドだとかが維持を続けた。
......でも各惑星に住む人たちからは、そういった知識は失われてしまったんだよね?
完全に......じゃないけどね。
ずっとマザーに頼っていた世界から、いきなりマザーが無くなって、混乱が起きた。
そしてその後、記録からも記憶からも色んなものが消えて行った......ということは想像に難くない。
『Ⅱ』から『千年紀の終わりに』までに、千年経っているから......
過去のことは、伝説とか言い伝えとかおとぎ話になっているくらいの域だよね。
そうだね。
で、生き残った各システムが稼働し続けたおかげで、人が生存可能な程度の惑星環境は保たれて来たけど......
......限界があるよね。マザーが無くなっちゃったから。
そう。環境は悪化して行く一方......そこで、モタビアのバイオプラントの管理コンピュータは、
将来の厳しい環境にも適応できる新人類を作り出す......という方法に出た。
それで、ネイちゃんがベースになった......っていうの?
開発を急ぐ必要があったので、実例の記録として残っていたネイの遺伝子情報が使われたんだと思う。
......っと、これはいつもの深読みね。
でも、良い線行っていると思うよ。パチパチ。
あはは、ありがと。あ~、でね、その開発も紆余曲折あったようで、
ドラマCDの『封じられし記憶』ではネイタイプ同士の戦いが描かれている。
......また、悲しい記憶が積み重ねられたの?
確かにそうなんだけど、そういう悲しい出来事も全て含めて、
全てのネイが......ファルに集約されているんだ。
さすがに記憶までは受け継いでいないけどね......
全てのネイ、あらゆるネイが、存在した証がファルなんだよ。
そっか。
ネイ・シリーズ・ウェポンみたいに、ネイちゃんが希望の源になったんだね。
それでファルなんだけど......これがとても良い子なんだよね。
そうなんだよね~。
最初のネイは、やっぱり「異端」という枷のせいで悲壮感をまとっていたけど、
ファルにはそういうのが無いんだよね。
周りのみんなまで和やかにさせるような、明るくて優しい子だよね。
生みの親の、バイオプラント管理コンピュータ「シード」の教育の賜だね。
あとは、ネットワークの通信で話し相手になっていた、
全システムの総合管理アンドロイドのフォーレンさんのお陰......かな?
そうだね。
ネイには「自分が人間ではない」というコンプレックスがあったけど、
ファルは逆に新世代種(ニューマン)であることを誇りに思って、自分に自信を持っているよね。
やっぱり、希望として生み出されたから......なんだろうね。
うん。ファルには、人類の未来を託せられる......って、そんな明るい光が宿っている感じがするね。
ネイちゃんの悲劇の遺伝子が、遙かな未来で希望の遺伝子に変わった......
これでやっと、ネイちゃんを悲しみの中から助け出せた......って、そんな感じがするね。
うん......
......月夜ちゃん......泣いてる?
ん......
だってさ......うれしいじゃない。
......そうだね。
はは......またちょっと、自分の感情に深く下りすぎたよ。
でも、これは......こういうのは......良いんじゃないかな。とっても。
......そう......思わない?
......うん、そう思うよ。
そう......思うよね(にこ)
『ファンタシースターⅡ ~還らざる時の終わりに~』 | © SEGA ENTERPRISES, LTD. |
『ファンタシースター ~千年紀の終わりに~』 | © SEGA ENTERPRISES, LTD. |
『ファンタシースター ~封じられし記憶~』 | © SEGA ENTERPRISES, LTD. © SOFT BANK |